「健康な和牛」へのこだわり

あか毛和牛の評価基準

あか毛和牛の「育て方」にまで踏み込んだ独自の評価基準

全日本あか毛和牛協会は、協会に登録されている農家から出荷される牛一頭一頭を評価する、独自の評価基準を制定いたしました。 この基準には「あか毛和牛を健康に育てることが、おいしい赤身につながる」ことが根底にあります。 そのため、「肉質」のみならず、その背景にある「育て方」も評価の対象としています。 これらの結果から、全日本あか毛和牛協会認定の「あか毛和牛」から「あか毛和牛☆☆☆」までの4段階で評価されます。

表示 あか毛和牛
☆☆ ☆☆☆
給与飼料
及び
飼育方法
次のいずれかに該当
  1. a. 粗飼料割合20% 以上であること
  2. b. 親子放牧により育成したものであること
次のいずれかに該当
  1. a. 粗飼料割合30% 以上であること
  2. b. 2 シーズン放牧を実施
  3. c. 全て国産飼料を給与していること
全て国産粗飼料を給与していること
親牛の哺乳により育っていること
肉質 赤身の割合が70% 以上であること(BMS No.2~No.4)
基本条件 出荷月齢が24 ヶ月以上であること
枝肉重量が去勢400kg 以上、雌360kg 以上であること
生産者
「飼育基準」
「あか毛和牛生産認定農家」(肥育)で生産されたものであること

全日本あか毛和牛協会認定のあか毛和牛は、出荷月齢と枝肉(内臓を除去し、縦に2分割した骨付き肉)の重量が基準値以上であることが前提となります。 そして肉質が、赤身の割合が70%以上あることと、脂肪交雑が標準からやや少なめとされる「BMS(牛脂肪交雑基準)No.2~No.4」にあたるものが「☆」以上の基準となります。 さらに生産面において、国産の粗飼料給与と親牛の哺乳が「☆」以上の基準となり、粗飼料給与の割合、放牧の実施等により、評価が高まります。 あか毛和牛の新しい評価基準は、おいしさはもちろんのこと、環境負荷が少なく、動物福祉に配慮し、食の安全性を求めるもとして、現在の消費者の期待に合致しているものと全日本あか毛和牛協会では考えています。

コラム

日本食肉格付協会による評価基準

今、私たちの生活の中で存在する牛肉の格付けは、日本食肉格付協会による品質評価が中心になっています。この格付け基準は、1991年にはじまった牛肉輸入自由化に対し、輸入牛肉との差別化対応としてつくられました。

等級表示 肉質等級
5 4 3 2 1



A A5 A4 A3 A2 A1
B B5 B4 B3 B2 B1
C C5 C4 C3 C2 C1

牛肉の格付は、A~C の3段階で評価される「歩留等級」と1~5の5段階に評価される「肉質等級」を組み合わせた15段階で行われます。 歩留等級はロース芯の面積やばらの厚さなどを計算式によって算出され、肉質等級は、脂肪交雑、肉の色沢、肉の締まり及びきめ並びに脂肪の色沢及び質の4項目のうち最も低い等級に決定して格付されます。

日本の畜産業における粗飼料利用

日本の畜産業における純国内産飼料自給率(可消化養分総量:TDNベース)はわずかに25%大家畜経営(肉用牛;肉専肥育)に至っては3.2%(2006年度)にすぎません(いずれも農林水産省2008年調べ)。 農林水産省は「家畜改良増殖目標(平成22年7月)」において、「今後、飼料穀物需要がひっ迫貴重で推移し、飼料穀物価格が平成18年秋以降の高騰以前の水準まで低下することは見込み難い」と見ています。 こうした背景を受けて、同省では、「高く売れる、生産量が多いといった従来からの価値観だけでなく、特色ある家畜による多様な畜産経営、消費者ニーズに応えた畜産物の供給、長期的にひっ迫基調の穀物需給への適応を軸とした家畜づくり」の推進を新たな家畜改良増殖のポイントとしてあげています。 さらに目標を達成するための具体的対策として、肉用牛では褐毛和種(あか毛和牛の品種名)が日本短角種とならび、遺伝的能力評価を実施する等により改良を推進することの必要性が述べられています。